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意識を失ったのはほんの一瞬のことだったと思うが、耳にかかる吐息で目を開いた時、クロアは着衣を全て脱がされ、ミュールがその上に四つん這いで跨る格好になっていた。

先ほどのような意識の混濁はなくなったが、体内の熱源は未だ健在のようだ。全身が快楽を求めて疼き出す。

ミュールの顔が正面にある。自分をまっすぐ見つめている。心なしか、頬に朱が差している。

互いの吐息がかかる距離、こんなにも近付いたことは今まで1度も無かった。彼女の深層意識へ到達し、互いを認証し合う儀式の抱擁すら「必須ではない」という理由で却下されてしまっていたのだ。

そしてミュールは、もう何ひとつ服を着ていなかった。下着すらも。

「ミュール、なんて格好しているんだ。早く服を着てくれ」

部屋の照明は眩しいくらいで、クロアの視界を妨げるものは何も無い。ミュールの白い肢体がダイレクトに目に飛び込んでくる。相変わらず身体の自由が利かないため、顔を背けつつ目を閉じる。

「別に見られて恥ずかしい体はしていないもの。じっくり見ていいのよ」

無茶苦茶すぎる。

確かに今しがた見てしまった彼女の身体は綺麗だった。

シャツの下に裸というセンスがいまひとつ理解できないが、何となく淫靡な雰囲気は感じ取れた。

だが、いくらパートナーとは言え、まだクロアとミュールは互いの手すら殆ど握ったことのない間柄だ。それを、いきなり数ステップ飛ばして裸の付き合いとはちょっと早急過ぎないか。まだ辛うじて残っている理性がそう働きかける。

しかし、ミュールの魔法の効果は依然継続中で、股座はいきり立ったままであるし、ちょっと気を抜くだけで自分の中の理性という理性が全て吹き飛んで、本能の赴くままに悦楽を享受してしまいそうだ。

自分の中で渦巻く衝動と葛藤していたクロアだが、

「ほら、ちゃんと見て。私の体」

ミュールが上半身を起こしつつそう言うと、見まいと閉じていた目が勝手に開き、彼女の裸体を凝視することになる。

自分の前に惜しげなくさらけ出されるミュールの肢体。

真っ白でまっさらな肉付きの薄い体。

双丘と言うには余りにもなだらかな胸の曲線の頂には、薄桃色の突起がぷっくりと存在を主張しており、まるで雪原に芽吹いた二輪の蕾のようだ。

余分な肉の無い、程良く締まった腹部から臍、その更に下へと目線を下ろす。

彼女の大事な部分。そこは、異物の存在を一切認めない、究極的な少女のそれであった。割れ目から奥がよく見えずとも、クロアは既にミュールの肢体に脳の髄まで魅了されてしまっていた。

 

 

§

 

『見られて恥ずかしい体はしていないもの』

と普段の調子で言ってみたものの、やはり彼がこの体をどう思うのか、気になってしまう。

人間だけでなく他のレーヴァテイルと比べても幼く貧相な肉体。

彼が以前「胸にはこだわりがある」とこぼしていたことは確りと覚えている。彼の言う「こだわり」とは、やはり大きさに関することだろうか。

クローシェみたいな巨乳が良いのか、はたまたルカのような手のひらサイズの適乳が好みなのか。

どちらであろうとも、彼が健常な男子である以上、自分やココナのような「まっ平ら」を好む可能性は限りなく低い……

と、今ナチュラルに十一歳児のココナと同列にカテゴライズしてしまった自分が情けなくなり落ち込みそうになる。

いけない、冷静に、クールにならなければこの場での目的が果たせない。

女の価値は胸じゃない。女の価値は胸じゃない。

そう自分に強く言い聞かせる。

幸いと言うべきか、胸のことで頭をぐるぐると悩ませている間に、彼は自分の体を瞬きもせず凝視するようになっていた。どうやら自分の心配は杞憂だったようだ。

股間の「彼自身」も、今にも暴れ出しそうなくらいに反り返り、脈打っている。魔法の効果は抜群だ。

そろそろ攻撃開始の頃合だろう。

よし。

ミュールは心の中で拳を握り締める。

 

 

§

 

惚けたようにミュールの肢体に魅入っていると、彼女の顔がおもむろに近付いてきた。小さく瑞々しい唇と、白い歯の間に光る濡れた赤い舌に目を奪われる。

クロアの前髪をかき上げたミュールは、一瞬なにかを決意するような表情を見せた後、口を小さく開き、クロアの額に唇を押し付けてきた。弾力に富んだ上唇と下唇に覆われた中でミュールの舌が蠢く。

額をぺろりと舐められ、軽く吸われる。

何だろう、この行為は。キス、とは違う。もっと本能的な衝動による何か。クロアは困惑する。

額から離れた唇は、鼻先に啄ばむように口付けた後、左の耳朶を甘噛みしてきた。彼女の吐息が耳の奥をくすぐる。

ただそれだけの行為で、クロアの全身に軽い電流のごとき快感が流れる。股間が脈打つ。

「さすがに感度がいいわね。でもまだ始まったばかりよ。これからもっと凄いことするのだから」

耳朶を食んでいた唇を紅い舌がちろりと舐め上げる。

凄いこととは一体何だろう。

彼女はどこでこんな知識と技術を手に入れたのか。

そもそも何の目的があってわざわざこんな真似をするのか。

クロアの中で様々な疑問が浮かび上がったが、次に襲って来た刺激に、思考が再び霧散する。

首筋を舐めつつ降りてきたミュールの舌が、今度は乳首を舐りだした。乳輪の周りをなぞる様に舐め、時折舌先で突起をこねくり回す。反対側はミュールの指に摘まれ、転がされ、弄ばれている。

乳首で感じるのは女性だけではないのか。そう疑問に思うも、くすぐったいような、痺れるような、クロアにとって未知の刺激が彼の神経を一層激しく波打たせる。

「ふふっ。乳首、固くなってきたわよ。貴方もスケベね」

誰のせいだと言い返したい気持ちもあったが、それ以上に自身を襲う快感をもっと味わいたいという欲望に理性が押さえ込まれる。

もうこのまま誘惑に流され、快楽の海に溺れてしまいたい。

彼女に全てを委ねてしまいたい。

クロアの理性はミュールから与えられる快楽に屈しつつあった。

もうなるようになれ、という声が頭の中に鳴り響く。

 

 

§

 

実際の所、ミュール自身もかなり余裕の無い心境だった。行為の一連の流れは文献から得た知識で何とかなったものの、いざ実行するとなると、生身と文献では天と地ほどに開きのある現実感が否応無く立ち塞がった。

元々生身の人間と間近で接した経験の少ない自分だ。他人の感触なんてロクに知らなかったし、知ろうとも思わなかった。

そんな自分が人間を、異性を、クロアを味わってしまった。

文献ではわからなかった、初めて舐める男の味に下腹部が疼く。

これからの行為に対して女として体が期待し始めているのを感じる。

しかし、そのような心境であっても、彼の股間の膨張具合には圧倒されるばかりで、いまだに直接手で触れる覚悟が決まらない。

魔法のせいもあるだろうが、それを差し引いても巨大だ。

いやこの場合は巨塔と言う方が相応しい気がする。

実に巨塔だ。

あれをこれから自分がどうこうするとは正直考えたくなかったが、乗りかかった船だ。もう引き返せない。

 

ええい、ままよ。

 

 

§

 

初めて味わう刺激にクロアはただ歯を食いしばって耐えることしかできない。

その間にも、ミュールの口と手は休むことなく徐々に下腹部へとシフトしていき、遂には股間で屹立している彼自身に辿り着いた。彼女はまだ彼自身には触れず、形状を確認したり、息を吹きかけて反応を見るなどしかしておらず、クロアにとっては生殺しの状態だ。

だが、自分のパートナーであり、愛する女性でもある彼女に、自分の排泄器官を無防備にさらけ出し、更にその手と口でどうにかされそうになっているという背徳感だけで十分に昂奮しきっていた。

そしていよいよ、ミュールの白く細長い、どこか無機的な美しさを持つ指がクロアの性器に絡みつく。

まるで熱した鉄棒を触ったかのように一瞬指を差し戻した後、再度ゆっくりと小指から順々にゆっくりとした動作で握り直してくる。指により自分自身が圧迫される感覚にクロアは打ち震え、言葉にならない声で呻くことしかできない。

その反応を横目で確認したミュールは口元を少し三日月型に歪めると、人差し指と親指で輪を作り、亀頭、裏筋から雁首を中心に唾液を垂らし、それを潤滑剤代わりに性器にまぶすように擦り付けた後、ゆっくり、ゆっくりと握った指を上下させ始めた。

ひと擦り、

ふた擦り、

み擦り、

 

まずい!

クロアは瞬時に自身の限界を悟った。が、体は動かせないので声を上げるしかない。

「ミュール、て、手を離してくれ!」

直後、ミュールが握った先端より勢いよく白濁が迸った。

結局ミュールは手を離さなかったが、それでもクロアの性器は壊れた消火器のように四方八方に白濁を飛ばし、一部がミュールの手や顔にかかってしまう。

魔法の効果で感度が上がっていたにしても、余りに早く、凄まじい絶頂であった。

クロアは達したことによるオルガスムよりも、あっという間に達してしまった上にミュールを汚してしまった自己嫌悪が先に立ち、彼女に詫びようと口を開くが、次の彼女の行動でその言葉を飲み込んでしまった。

ミュールは、ちゅぷ、と自身の指についたクロアの白濁を舐め取っていた。まるで自身の指をクロアの性器のように愛おしそうに舐め上げる。

「ふぅん。これが貴方の味なのね。美味しくはないけど興味深い味だわ」

ミュールの紅い舌が自分の白濁を、性の迸りを舐め取っている。味わっている。

それを認識した途端、クロアの剛直は再び射精前の硬度を取り戻していた。

ミュールは再びそそり立った性器を見ると、何か悪巧みを思いついたような笑みを浮かべ、

「まだまだ元気ね。でも、私に断りも無く達したからには、相応の罰を与えさせて貰うわよ」

何やら空恐ろしい言葉を口にするのだった。

 

§

 

彼の精液を舐めてしまった。

手にかかってしまったのでつい無意識に舐め取ってしまったのだが、随分と大胆なことをしたものだ、とミュールは自分の行動を振り返る。お陰で、先ほど以上に下腹部に疼きを感じてしまっている。

文献の中では、ペニスを咥えたまま精液を直接飲み込む、などという信じられない高等テクニックが使われていたが、そんなことをしたら、自分の体は一体どうなってしまうのか。正気でいられる自信が全く感じられなかった。

それにしても、ミュール自身にとっても、まさか握ってほんの数擦りで達してしまうとは予想外だった。それもあってか、クロアの声にも咄嗟に反応できなかった。予定では、手で散々焦らした後に、口と舌で達して貰うはずだったのだが。

しかしこの想定外の事態はミュールの脚本に新たな道筋を与えていた。彼は今以上に吃驚するだろうが、この方が自分のキャラクターに合っているだろう、とミュールは頭の中で次のフェイズに意識を切り替えた。

 

 

§

 

体にかかった精液を拭い取ったミュールは、自分の髪を結っている赤いリボンの、片側を引き抜き、それをクロアの眼前にやり両手で引き伸ばして見せた。

「これを使って、貴方にお仕置き、してあげるわ」

笑みを浮かべたままそう言うと、リボンをクロアの男性自身の根元にきつく巻き付け始めた。

クロアは、自身の逸物が根元からちぎれんばかりに結われて行くのを、やはりただ見ていることしかできなかった。言葉で抗議しようという気持ちすら最早萎えきっていた。ただ、これではいざと言う時に射精ができないのではないか、とほんの少し未来の自分が置かれるだろう状況に漠然と不安を感じるだけであった。

その心配はまさにこれから現実となるわけだが。

「ほら、貴方の無骨なモノがかわいくなったわよ。よしよし」

クロアの男性自身にリボンを結び終えると、ミュールは亀頭を頭に見立て、指で軽く撫でながら言った。

まるで子供を褒める母親のようだが、行為自体はそれだけでも十分な快感となり、撫でられる度に性器がびくびくと脈打つ。

刺激を受け鈴口から、ぽつ、と浮き出てきた先走りを人差し指で拭い取られる。先ほど塗されたミュールの唾液と自分が吐き出した精液、そして拭い取られる度に溢れ出る先走りを潤滑剤に、またしてもクロアの性器はミュールの指で弄ばれる。リボンが解けないよう、丁寧に、緩急をつけつつ上下に擦り、時に亀頭や裏筋を集中的に攻め、鈴口を指でほじられる。

その手つきは、注意深く見れば、実におっかなびっくり、拙いものであったのだが、異性の手で弄られるという経験が初めてであるクロアにとっては、テクニックの甲乙など関係の無いことで、ミュールの指の動きひとつひとつに、新鮮かつ強烈な快感を味わうばかりであった。

クロアは最初に達した時と同様、早くも自分の限界、絶頂を幾度と無く感じていたが、性器の根元にきつく結ばれたリボンのせいで、絶頂を感じているのに精液を吐き出せないという無限の快楽地獄を味わっていた。膨張し、ただただ脈打ちながら先走りの汁を垂らす自分自身を見ていることしかできない。そんな状態であるのに、

「手でするのも飽きてきたわね。次は直接味わわせて貰うわ」

ミュールはクロアにとってある意味拷問の始まりに等しい言葉をさらりと吐いたのだった。

 

 

 

§

 

『直接味わう』とは言ってしまったが、当然初めての経験となるミュールにとっても、これまで以上に勇気の要る行為であった。

付け根を締め上げているせいか、クロアの性器は赤黒く腫れ上がり、鬼の金棒の如き凶悪なフォルムへと変貌しているため、そもそも口に入りきる気がしない。先端だけが精一杯だろう。

なんて厄介な。

ミュールは気を取り直して眼前の剛直に集中する。既に彼自身の精液や先走り、ミュールの唾液でべとべとになっており、表面にてらてらと光沢ができている。

ミュールは心の中で気合を入れるポーズを取ると、小さな舌を突き出し、おそるおそる律動するクロア自身に近づけてゆく。

 

 

 

 

§

 

最初は、裏筋に熱くて柔らかい感触がきた。

熱くて柔らかいモノは、裏筋に自身を押し付け、先端に向けて滑るように動いた。それが舐められていることだと気付くのに数瞬の時が必要だった。

ミュールの舌は小さく表面がざらついており、まるで猫のそれであった。焼け付くような熱は、快楽とともにクロアの先端から根元までを繰り返し繰り返し舐り、付着していた体液の代わりとばかりに、新しい唾液を満遍なく、マーキングをするかの如く塗しつけていく。

ミュールのひと舐めひと舐めが絶頂を誘う口撃でありながら、身の内に溜まる白濁を放出することができない。これほどまでの責め苦を受けたことは無かった。大鐘堂での訓練などとは比較にならない。自分の五感がコントロールできない状況には対処の仕様が無い。ただひたすらに与えられる快楽と射精できないフラストレーションの繰り返しである。

そして遂に、とどめとばかりに、ミュールはその小さな口を大きく開け、ぱんぱんに腫れあがったクロアの先端をその唇と頬肉で包み込んだ。

熱い、なんてものじゃない。クロアはミュールの口内で自身の先端が灼熱の溶岩に溶かされているような感覚を覚えた。当然の如く、下腹部の奥から激しい射精の衝動が駆け上るが、いまだリボンの拘束から解放されていない熱棒はひきつけを起こしたかのように脈動するばかりである。

正常な思考など、とうの昔に裏側へ潜ってしまった。ただひたすらに射精したい。溜まりに溜まった情動を存分にぶちまけたい。どうしたら出させて貰える。どうしたら。

「お願い、してみなさい。そうしたら出させてあげるわ」

先端から口を離したミュールが、口の端から唾液か先走りかわからない汁を一筋こぼしつつ、悪魔の微笑でそう囁く。

「そんな、こと、できるか」

クロアは最後のひとかけらのプライドで切り返す。

あらそう、とミュールは肉棒を再度口に含み、今度はその舌と唇で徹底的に亀頭を攻め立てる。唇により雁首が吸われ、まるで性交そのもののような感覚を味わわされる。鈴口に舌がねじ込まれ、痛みに近い激しい快感が立ち昇ってくる。竿は時に優しく、時に激しく指で扱かれる。

ミュールの止め処ない口撃に、クロアは腰を浮き上げ断末魔の痙攣のごとく反応する。

このままでは気が狂ってしまう。

気持ちが良すぎて気が狂うなんて笑い話にもならない。

お願い。お願いすればいいのか。

クロアは、ギリギリで保っていた最後の砦が決壊する音を聞き、遂に、

「出させてくれ!イかせてくれ!ミュール!」

プライドも何も全てかなぐり捨て、哀願したのだった。

 

それを聞いたミュールは、自らも絶頂を感じているような淫靡な表情でクロアを見上げる。

「そう。出したいの。ぱんぱんに膨らんだここから、さっきみたいにびゅるびゅるって出したいのね?」

ミュールは肉棒から手を離すと、クロアを跨いで立ち上がった。立ったせいで今まで見えなかったミュールの秘部が露になる。少女らしい体に相応しい絶対的な少女を象徴するその部分。触れられてもいないのに、視覚だけでクロアの性器は弾ける寸前まで膨張する。

「もう限界だ!お、お願いだ!ミュール!」

立ち上がったミュールの意図はわからないが、できることはもう懇願しかない。

「わかったわ」

笑みはそのままにすぅっと目を細め、右足を上げると、そのままクロアの肉棒を裏側から踏みつけた。

鈍い痛みと快感のごった混ぜに、クロアの脳内が白黒と明滅する。

壊される。

初めてクロアは目の前の少女に男性自身を無防備に晒していることに恐怖を抱いた。

「最初にお仕置き、と言った筈よ。貴方は私の足で達してしまいなさい」

踏みつけた足で竿を前後に擦り付ける。擦りながら、ミュールは器用にも足の指でリボンの結い目を緩めていく。緩めつつ、擦る、擦る。

「さぁ、全部出すのよ!クロア!」

リボンが完全に解けたと同時に、これまで以上の力で限界寸前の肉棒を踏み抜いた。

爆発。

そう表現するしかなかった。

クロアの体内で煮え滾っていた白い熱塊が、戒めを解かれた途端、一気に放出されたためだ。

白濁の暴発は方々に飛び散り、ミュールの足だけでなく、ミュールの顔や体、そして発射している本人にも容赦なく降りかかった。「凄い勢いね。それに、とても、熱いわ」

恍惚とした表情でミュールは言う。

「あら、顔が汚れてしまったわね」

再び四つん這いになると、クロアの顔に付着した精液を舐め取り始めた。

「どうして、こんなことを」

クロアは荒い息をつきながら、おぼろげな意識でミュールに問いかける。

「実験みたいなものよ。ちょっとした、ね」

と再び悪魔のような笑みを浮かべるミュールであった。

 

 

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